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[編成] Flute Solo, Mandolin Orchestra(Md1/2,Mla,MC.Gt1/2,CB)
[演奏時間] 14分半
[作曲年] 2016.8
[初演] 2016.10.12 ルーテル市ヶ谷
   第一回 Mandolin Ensemble EUPHORIA 単独公演
[委嘱] Mandolin Ensemble EUPHORIA

​鴇色之風

​Ibis waving in the wind

マンドリンアンサンブルユーフォリアの委嘱により作曲・初演。私のマンドリンオーケストラ作品のデビュー作となる。

 

鴇の風切り羽は、それは美しく淡い薄桃色をしているらしい。鴇がまだそこらに見られていた時代に付けられた色の名前だそうだ。色の和名にはとても美しい感性が宿っており、ただ感服するばかりである。

この曲は、鳥が羽を広げた姿になぞらえ、

序奏-風のテーマ-踊り-歌-踊り-風のテーマ-後奏

という、左右対称のアーチ構造になっている。二分近くに及ぶ独奏による序奏ではこの曲の主たるモチーフが凝縮されており、全曲に散りばめられている。特に、最初に提示される「ラシファラミファ」のモチーフは、さまざまに形を変え全曲中に各所で散見される「風のテーマ」の要である。

オーケストラは不穏な和音から始まりはするが、それを払拭するかのように風のモチーフが流れ始める。鴇色の風の中を自由に舞い、自由に歌う…そんな鳥の姿をフルートに託して、メロディーは自由に変容し、曲は自由に進んでいく。

マンドリンアンサンブルEUPHORIAの記念すべき第一回公演、そしてフルート独奏の千勝あずさ氏の婚約へ、祝福を添えて。

-Mandolin Ensemble EUPHORIA 第一回演奏会 プログラムノートより抜粋-

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