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[編成] Soprano, Mandolin, Piano
[演奏時間] 2分半
[作曲年] 2012

[編曲年] 2015.6
[初演] 2015.6.20 イタリア文化会館 アニェッリホール
   Il Mandolino Giapponese -もう一つのイタリア文化-

​お月さまを

2012年作曲、2015年にマンドリンを加えた版に編曲。

新美南吉の詩による歌曲である。

新美南吉といえば、「ごん狐」や「手袋を買いに」などで有名な作家。彼はわずか29歳で亡くなってしまった。

 

​短い詩ではあるが、とても情緒に溢れ、静寂に満ちた詩である。

曲は、装飾音符を纏った長音から始まり、まるで円を描くように下り、上がる。静かさ、平穏を象徴するような二度の和音が連続し、波がゆらめくようにピアノの伴奏がざわめく。

メロディは装飾音符を除きペンタトニックの五音(レ、ファ、ソ、ラ、ド)で進んでいくが、​ただ一箇所、このモノトーンの世界に色を落とす部分においてのみ、その五音から外れたミの音を置いている。

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お月さまを
みいあげた。
 マストにのぼつた
 ふなのりが。
 何だか青いと、さういつた。

お月さまを
みいあげた。
 わたしが窓から
 一人きり。
 母さん静かね、さういつた。

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